こんにちは、おかゆです。
「この世にたやすい仕事はない」著者は津村記久子さん。知識不足で津村記久子さんと言う作家さんを初めて知りました。
仕事で行き詰まっている人は多いと思います、生活の大半を占めているし仕事によって自分の価値が決まる部分は多いですよね。
悩みの大半も仕事のこと。悶々としている方に読んでみてほしいです。読み終わった後、劇的に何かの扉が開けてて言う感じに変わることはないけどたくさんの登場人物の仕事ぶりに謎の安心感をおぼえます。クスッと笑えるところも。
気が乗らない仕事も「まぁ、もう一回やってみるか」と自発的に思えるかもしれません。
あらすじ
大学卒業後、14年勤めた会社を燃え尽き症候群で退社し、少し変わった仕事を転々とするお話し。「1日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」と職安で相談したことから始まります。ちなみに「長年勤めた仕事って職種はなんなんだろう、それって別に大事なことじゃないのかな?」と気になるけどそうゆうものかと思ってたら、最後の最後で何の職種か判明する。
どんな意図があったのかな?
てか、職種もしかり私と境遇似てるじゃんと感動したのを覚えています。
それぞれの仕事の内容も面白いしパラレルワールドに入ったようなスパイスもあるし、クスッと笑えたり共感したり。単純な仕事も真面目に取り組む主人公が巻き込まれる事件(?)にも引き込まれます。
短編小説のようで全て繋がっているような、、、何気ない会話に伏線があるので一言も見逃せません。
①隠しカメラで作家を見張る仕事
ちょっとした事件に巻き込まれている作家を見張る仕事。初めは客観的にみていたけれど、次第に影響されて作家が食べたものや買ったものが気になりだしたり、人生や価値観をその人に投影していく。
②バス内のアナウンスを考える仕事
循環バスの広告アナウンスの仕事で、10歳年下の仕事ができる先輩に教わりながら不思議な出来事を調査していく。
個人的にこのお話が一番好きです。
③おかきの袋に一言書く仕事
ぽたぽた焼の裏におばあちゃんの知恵が載っている、それと一緒のお仕事です。
主人公の考えたシリーズがヒットしたのだけど、思わぬ方向に話が広がっていきます。
④店舗や民家を訪ねてポスターを貼る仕事
個人のデザイナーさんの事務所?みたいなところでその人が作ったポスターを貼っていく仕事。ここでもある問題に巻き込まれ、、、と言うか気になって首をつっこんでしまう。
⑤大きな森林公園の小屋での簡単な仕事
小さな小屋に1人単純作業を淡々とこなしていく。時給は安いが責任もなくいい感じと思っていたら、、、またまた謎が。
感想
仕事のお話とあって真面目な話かと思いきや、不思議な事件が起こっていく、そこも見どころです。
そこそこの職場での働きぶりもちゃんと評価されていて、その真面目さゆえ燃え尽き症候群になったんだなってわかります。十人十色の仕事に対する姿勢も垣間見れるのも興味深いです。
仕事って長く続けなきゃ人として評価されないと思っていた私も、10年続けた仕事を辞めた後は転々としました。理由は様々ですが続かない私はダメなんだ、でもこのまま続けて何になるの?人生が楽しくないじゃないか。と両極端な考えが渦巻いていて悶々とした日々を過ごしていました。
最近は生活費のために少し稼いで、傍で好きなことが仕事になればいいなと思いながらコツコツちまちまやっています。いつか花開くことを確信して。
生活するために仕事しなきゃはもちろんだけど、このまま人生終わりたくないかも。仕事や役職を除いた時に残る私って何?何者?
話がそれちゃったけど、なんで働くの?どう働くの?と様々な問いに作者もハッキリした答えが出せてはいないのではないかと思えて(私と重ねてしまってますが)。
でも、いろんな考えの人がいることに安心感も覚えて、読んでいて胸があったかくなりました。みんなそんなもんんだよって言ってもらえてる気がして。
仕事のことで悩んでいる方にお勧めします。そして、この本を読み終えた時にどう感じるか楽しみです。
ではでは。
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